カカシの家に向かうとき、いつのまにか手を繋ぐのが当たり前になった。
この手はどういう意味なんだろう。
でもまあ、遊び慣れてるカカシのことだからそんなに深い意味はないんだろう。そう思いながら手を握り返す。
「そういえば、あんた」
ふと、考えたことを聞いてみた。
「俺とばっかり遊んでていいのか？たまには他の人とか、思わないのかよ。」
カカシは夜空を見上げながらんー……と考えて、
「サスケと遊ぶのが一番楽しいからね」
と答えた。
誰でも良い、ってわけじゃないのか。
それを聞いて、少し安心している自分がいる。
そして自分に言い聞かせる。
『俺は遊ばれてるんじゃない、自らの意思で一緒に遊ぶことを楽しんでいるんだ』と。
恋人同士じゃないんだし、いつかはもっと「楽しい」相手を見つけて俺とはカウンター越しに話すだけの関係に戻るかもしれない。
そうなったとき、俺はどうしたらいいんだろうか。
他の「遊び」相手を探すんだろうか。
わからない。
カカシ以上に気持ちよく、楽しめる人がもし目の前に来てくれたら、俺もその人に鞍替えするかもしれない。
ただそんな事はコンビニでレジをしている限りあり得ないだろう。
そういう出会いを求めるのであればそれなりの場所に行くものだ。
ただよく知らないその場で知り合った人に身体を許せるかと思うと抵抗を感じる。
だからカカシが俺との遊びに飽きないことを祈っていた。
誘われるたびにホッとして、終わるたびに不安が募る。
カカシを独占したいわけじゃない。ただもっと一緒にいたい、遊びを続けたい、それだけだった。